令和6年度 事業報告書

I.学修支援

1.状況に応じた学修支援

新入生キックオフプログラムや「学びの道しるべ」のような大人数一斉授業、ゼミのような少人数授業、さらには学生個人の学びなどの状況に応じた学修支援の実践だが、さくら夙川キャンパス図書館(メディアライブラリーCELL)、大阪大手前キャンパス図書館(大阪図書館)では、学修の基本となる「資料収集・情報入手」のスキルアップを目的に、新入生にはキックオフプログラム内にて「図書館ガイダンス」「図書館ツアー」を実施し、図書館の利用方法や蔵書検索システムを主に説明、2年生には「図書館活用術」のライブ中継を実施した。
3,4年生のゼミにおいては、教員の要望に応じて様々な内容でガイダンスやセミナーなどを授業内で展開した。具体的には専門分野のデータベースを使いこなせるためのセミナーなどを実施し、国際看護学部4年生の卒論支援、国際看護学研究科1年生の研究支援を行った。
また、国際看護学部「国際看護学実習Ⅲ」の海外実習に備えて「海外実習応援します!!~訪問国はどんな国?~」と題した特集展示を実施し、実習先にあわせて韓国、ベトナム、タイ、フィリピン、シンガポール、オーストラリア、各々の国の歴史、文化、言語等の本を集めて利用を促した。
  • 状況に応じた学修支援1
  • 状況に応じた学修支援2
  • 状況に応じた学修支援3
  • 状況に応じた学修支援4

2.個人ブースの設置

昨年度、夙川図書館では1テーブル6席の「個人ブース」を設置し、本年度は利用状況を日々確認したが、お昼休みや4限終了後の時間帯は満席に近いほど利用者が多かった。そのため次年度に向けてもう1テーブル、「個人ブース」を設ける予定である。
大阪図書館では、設立当時から個人ブースがあるが、こちらも利用頻度が高いため、次年度に向けてはカウンター席にパーテーションを設置して個人ブースを増やす予定である。
  • 個人ブースの設置1
  • 個人ブースの設置2

3.CELLの活用

グループ学習支援としては従来からcells(小教室)を活用しているが、大手前短期大学学生懇談会で「CELLをもっと有効利用したい」との声が学生からあったため、秋学期から試験的に1名でもCELLを利用できるようにした。当初は、CELLを1人で使用するために、他の利用者に大きな影響がないかが懸念材料であったが、特に大きな混乱など無かったため、1名の利用については次年度も継続する。なお、本年度も短期大学歯科衛生学科学生の国家試験対策でグループの利用が秋学期から顕著であった。
  • CELLの活用1
  • CELLの活用2
しかしながら大阪図書館内にあるC102は2022年4月から学生がグループワークを行う際、利用可能となっているが、まだ使用頻度が低い。学生の自主的な活動に利用してもらえるよう、告知方法を工夫する。

4.「広範な学び」の誘発

作品発表
7月にCE101・102・104・館内にて「立体造形基礎Ⅰ」作品展を開催した。
身近な素材を使って、自分の体と同等サイズの立体作品を制作するのがこの授業の課題。2回生以上の学生たちが懸命に課題に取り組み、各々の「自画像」に向き合った作品が展示され、多くの学生や教職員が鑑賞した。1月には図書館内にて「立体造形基礎Ⅱ」クラスの作品展を開催した。2024年度は2回生以上の学生たちが登場人物を設定し、物語をジオラマで表現するというもの。課題作品であるジオラマを多くの学生や教職員が鑑賞した。

  • 「広範な学び」の誘発1
  • 「広範な学び」の誘発2
  • 「広範な学び」の誘発3
  • 「広範な学び」の誘発4
また、9月には「コミックイラストレーションⅠ」の「昔話、おとぎ話のその後…」をテーマにした作品を、12月~1月の恒例となっている学生課から掲示依頼のある「マナー向上啓発ポスター」、並びに描画入門(クロッキー/スケッチ)の担当教員から依頼のある「自由に活き活きと描くクロッキー」の学生作品をCELL中庭側ガラス壁面に展示。今年も多くの学生、教職員が足を止めて鑑賞していた。
  • 「広範な学び」の誘発5
  • 「広範な学び」の誘発6
  • 「広範な学び」の誘発7

特集展示
夙川図書館では4月に「若い人に贈る読書のすすめ 2024」、ミニ展示「いちご」、5月に「製本・装丁の世界 2024」を、6月に「新紙幣発行!」、9月に「サンリオ・キャラクター ~ハローキティ誕生50周年~」を、12月は2024年ノーベル平和賞受賞記念として臨時で特集展示を実施、且つ、「国民の休日」も開催した。
大阪図書館では4月に「Paris 2024 ~オリンピック・パラリンピックを楽しもう!~」、「若い人に贈る読書のすすめ2024 in 大阪」を、10月に「Go for it! 海外実習を応援します!! ~訪問国はどんな国?~」、2月に「未来に会いに行こう! ~大阪・関西万博が始まります~」、3月に「アフタヌーンティーと洋食器の世界 ~紅茶とともに至福の時を~」を開催した。
常設コーナーでは、CELLにて「あなたの、わたしのおすすめコーナー 一期一会」と「業界研究コーナー」、「白書統計コーナー」、「はたらくことをかんがえるコーナー」、「学位論文コーナー」、「教職支援コーナー」、「レポート支援コーナー」、「観光ガイドコーナー」、「日本語リーディングコーナー」、「プレゼンコーナー」、「英語多読本コーナー」を設置、各紹介コメントは小冊子を作成して館内で配布した。

  • 「広範な学び」の誘発8
  • 「広範な学び」の誘発9
  • 「広範な学び」の誘発10
  • 「広範な学び」の誘発11
また、大阪図書館では、本年度も学生企画として国際看護学研究科の大学院生が、「子ども虐待をなくそう!」をテーマに11月の「オレンジリボン・児童虐待防止推進月間」にあわせて企画展示を行った。
  • 「広範な学び」の誘発13
  • 「広範な学び」の誘発12

5.図書館利用の指標

従来より一人当たりの貸出冊数が主な指標となっているが、パソコン必携化や携帯電話の影響もあり、一人当たりの貸出冊数は年々減少し、他大学も同様の傾向となっている。しかしながら、自己学習で閲覧席や個人ブース、cellsの利用は増加しているため、貸出冊数、入館者数だけでなく、cellsの利用者数、図書館間相互利用件数、レファレンス数などのデータを他の新たな指標として検討するためにこれらのデータを蓄積している。

Ⅱ.教学マネジメント支援

1.教学IR、他

教学IR、データサイエンス、教育・研究成果の査定に関する図書について、関係部署と連携しつつ充実を図る必要があるが、まだ不十分である。

2.選書システムの構築

中長期計画における大学基本方針や各学部戦略に関連する参考資料の充実を進める為、上記1の課題も含め、図書館委員の選書だけでなく、各学部戦略に関わっている教員からも選書いただける様、選書システムを変えていく必要がある。
2024年度は専任教員からの選書を強化するため、教員の研究テーマに沿った図書リストを書店に提供していただき、選書数の増加を図るとともに、図書館委員会にて「選書に関する内規」を再確認するとともに、図書館事務室も選書に加わる案件について承認を得ることができた。

3.研究支援

リポジトリの運営
本学の学術生産物をリポジトリを通してインターネット上で公開している。2024年度は5月に大手前比較文化学会会報 第25号、大手前大学国際看護研究所研究集録第7号、第7号Supplementを、6月に大手前大学健康栄養学部学術雑誌「食糧・栄養と健康」第4号を、11月に大手前大学国際看護研究所研究集録第8号、第8号Supplementを、12月に学位論文:博士学位論文内容の要旨及び審査結果の要旨第2集を、2025年2月に大手前短期大学研究集録第43号、大手前大学論集第24号を、2月に学位論文:博士学位論文2023年度を公開した。

レファレンス
本館未所蔵資料への要望に応じて、図書館相互利用制度(NACSIS-ILL)を経て他大学や機関へ貸借依頼、複写取寄せ、訪問利用や特別複写などの申請を行った。資料が国内未所蔵の場合はWorldShare Interlibrary Loan(WSILL)にて対応可能である。

4.蔵書構築

図書館委員を中心に、本学の学修、研究、教学マネジメントに資する蔵書構成となるよう、学術書や一般書を収集し、適正な蔵書構築と管理に努めている。2024年度は大学5,608点(21,113,712円)、短期大学784点(4,490,061円)を受入れた。除却処分は大学1,125点(6,638,001円)、短大788点(3,361,999円)。2024年度末の総蔵書数は大学337,784点、短大50,073点である(視聴覚資料を含む)。

Ⅲ.リカレント教育支援

1.通信教育課程スクーリング授業、他

従来より通信教育課程スクーリング授業支援のために、スクーリングが開講される日曜日には修学支援の一助となる様、夙川図書館を開館している。また大阪図書館の開館日も通信生に開放している。夙川図書館では「社会人の学び直し」に関連するリカレント教育支援のきっかけとなる様、一般の方の図書館利用も実施している。

Ⅳ.ラーニングコモンズ機能の強化

1.運営状況

2021年4月のキャンパス統合を機に、さくら夙川キャンパスE棟に新たにラーニグコモンズが設置され、学修サポートセンター及びITサポートデスクが活動している。さくら夙川図書館では、図書館建物内の資格サポートセンターと連携を図っている。またE棟と図書館は別棟であるが、定期的に「ラーニングコモンズ運営会議」に出席し、教員や関係部署と情報共有・連携を図っている。

2.イベントの開催

トークライブ(ミニセミナー)やワークショップを開催し、学修の成果を深めるラーニングコモンズづくりを進めている。

「トークライブ in CELL」&「トークライブ in 大阪」
2024年度「トークライブ in CELL」は、第1回目として「メディアライブラリーCELLの魅力」(短期大学ライフデザイン学科 藤本幹也先生)を、第2回目は、「外国人からみた日本のよいところ話」(経営学部 伊勢智彦先生&ご友人のマーシェスさん)を開催。
また「トークライブ in 大阪」は、第1回目に「知るとおもろい!西成区の歴史と変化」(国際看護学部 冨岡洵先生)を開催した。
いずれも昼休みの短時間のなか、学生・教員・職員がひとつに集い、新たな興味を広げることができた。

【さくら夙川キャンパス開催】
  • イベントの開催1
  • イベントの開催2
  • イベントの開催3
  • イベントの開催4
【大阪大手前キャンパス開催】
  • イベントの開催5
  • イベントの開催6

ワークショップ
5月に「和装本つくり」の、10月に「豆本づくり」の製本ワークショップをcellsにて開催。大学・短期大学から和装本づくりに11名(1,2回生が主。留学生2名含む)、豆本づくりも11名参加(1,2回生が主)。「楽しかった」「何に使うか考えるのが楽しみ」「母国に帰ったら作ってみたい」「昨年作れなかったので今年作れてよかった」等の声が寄せられた。

  • イベントの開催7
  • イベントの開催8

Ⅴ.その他

1.国家試験応援メッセージ展

健康栄養学部4年生が管理栄養士国家試験を、国際看護学部4年生が看護師国家試験を、国際看護学研究科の院生が、保健師国家試験、並びに助産師国家試験を、短大歯科衛生学科3年生が歯科衛生士国家試験を受験するにあたって、大阪図書館では「がんばれ、国家試験!」、CELLでは「目指せ、歯科衛生士!」と題してメッセージ展を開催。学生・教職員から多くのメッセージが寄せられた。寄せられたメッセージは各キャンパス近隣の神社に納めた。

【さくら夙川キャンパス】
  • 国家試験応援メッセージ展1
    歯科衛生士国家試験合格応援メッセージボード
  • 国家試験応援メッセージ展2
    廣田神社
【大阪大手前キャンパス】
  • 国家試験応援メッセージ展3
    管理栄養士・看護師国家試験合格応援メッセージボード
  • 国家試験応援メッセージ展4
    大阪天満宮

2.トライやるウィーク

兵庫県教育委員会が実施している公立中学校2年生を対象とした社会・職場体験プログラム「トライやる・ウィーク」だが、本年度は5月29日(水)に西宮市立苦楽園中学校から2名を受け入れた。図書の装備や雑誌のデータ入力などの資料整理、カウンターで貸出や返却の手続き、本棚の整理や本の配架などの業務を体験してもらった。
5月28日(火)に西宮大社中学校から4名を受け入れる予定であったが大雨警報発令の為に中止となった。
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