平成25年度 事業報告書

I.学習支援

1.蔵書構築

平成25年度、蔵書(視聴覚資料を含む。購入、寄贈、雑誌からの編入を含む)は大学8,215冊、短大979冊増加した。一方、経年劣化等による除籍処分は大学49冊、短大323冊となった。総蔵書数は大学276,500冊、短大58,851冊である。

文部科学省施設整備費助成金採択により、『天皇実録』(全98巻)、ミショー編『Biographie universelle』(全85巻)、ホーファー編『Nouvelle biographie generale』(全23巻)、『Vanity Fair』(Vols.1-45/no.6 Reprinted(1966))の高額資料4件を購入した。

学外倉庫出納費用は前年度比の約2割増加。史学研究所図書室は書架の狭隘化に鑑み、資料の一部を学外倉庫へ保管し多少の余裕が生まれた。

2.教育との連携

春・秋学期ともキャリアデザインやフォーラムにて図書館利用プログラムを実施し、授業内容進行にあわせて特集展示を開催した。各クラス対象のガイダンスは45回、授業支援は90件行い、昨年実績を上回った。

  • 教育との連携01
  • 教育との連携02

1年生での経験した図書館プログラムが有効に働き、大学・短大とも2年生の図書館利用が好調。学生1人当たり貸出冊数は8.1冊と前年比約13ポイント、短大2.67冊で20ポイント上昇した。大学全体(通学生)では6.95冊となり、ほぼ全国平均値(私立大学7冊)並みとなった。

教員企画によるゼミナールや授業クラスによる授業成果の展示をcells(小教室)や中庭側ガラス壁面にて開催。また、ゼミナールIIの授業でCELL内で撮影された動画をCELLFacebookを通じて配信した。

  • 教育との連携03
  • 教育との連携04

3.サービスの向上

4月よりCELLの開館時間を8:30~19:30に延長した。8:30~9:00までの平均入館者数は17人、18:30~19:30までは34人であるが7月および1月の学期末には18:30以降の入館者が70人前後の日が続き、大いににぎわった。

図書館Webサイトを8月に更新した。スマートフォンをはじめユーザの利用デバイスの多様化に伴い、どのデバイスでも適正な表示ができるレスポンシブデザインを採用。その結果、国内の秀逸なレスポンシブWebデザインを集めたギャラリーサイト「Responsive Web Design JP」に紹介される、『Web制作会社年鑑 2014』に株式会社Qriptの事例紹介として掲載される、など学外から高評価を得た。また、有益なインターネット資源情報や「専攻別情報探索ガイド」、「テーマ別情報探索ガイド」など提供し、利用者にとってわかりやすくて有意義なサイトとなるように意図した結果、利用者からも好評である。

  • サービスの向上01
  • サービスの向上02

CELL公式Facebookページは開設後1年を経てファン数が700を超え、大学図書館が運用するページとしては全国2位となった。

  • サービスの向上03

トークライブ in CELLを7回開催した。開催時間を授業終了後に設定する、学生との意見交換に比重を置く、専門分野に沿って所蔵資料を紹介する、授業では伺えない学外活動を報告するなど、小さなスペースで少人数ならではのバラエティに富む内容となった。cells(小教室)の収容能力が限られており、参加者は平均20人程度である。参加者内訳は学生と教職員のバランスもよく、ほぼ毎回、少数ながらも学外者の参加も見受けられた。

  • サービスの向上04
  • サービスの向上05

授業内容や学習に沿ったテーマ、娯楽・教養を中心にしたテーマ、所蔵資料の紹介など、さまざまなテーマでCELLと伊丹図書館の機能に応じて特集展示を行った。初めての試みとして公開講座や公開シンポジウムの会場にて開催。展示資料の管理面が懸念されたが担当部署にも協力いただきトラブルなく終了、参加者からは好評を得た。

  • サービスの向上06
  • サービスの向上07

利用者の意見や要望を調査するためアンケートを実施した。25年度はキャリアデザインやフォーラム担当教員の協力を得て、1,145人より回答が寄せられた。集まった回答は今後の図書館サービスを充実させるための基礎資料として図書館運営に活かしていく。集計結果は図書館Webサイトにて公開している。

II.ラーニングコモンズ機能の強化

1.ワンストップサービスの強化

学習支援センター、ITサポートセンター、資格サポートセンターとの月例ミーティング、CELL公式Facebookページへのコンテンツ掲載などにより、CELL全体として相互の関連を深めた。

2.cells(小教室)活用の促進

グループによる自習やミーティングのほか、展示会やワークショップなどに利用され、使用件数は前年比の約20%増加した。学生の自由な利用度合いを確保するため、授業や教職員の執務等による固定的な利用については各部署と協議の上最低限としている。

  • cells(小教室)活用の促進01
  • cells(小教室)活用の促進02

かねてより苦情の多かった外光の反射や外気温の影響については各cellsに遮光ロールスクリーンを設置して解消した。

教員より要望のある授業用の貸出パソコンとして、情報メディアセンターの協力を得て10台を購入した。(ITサポートセンター所轄の貸出パソコンは学生自由利用用のため、授業には利用できない)

美術部、文芸部、写真部、考古学研究会、JAZZ研究会有志、男子ラクロス部等の主催による個性あふれる展示会がcellsおよび中庭に面したガラス壁面を利用して行われた。25年度は新規参加が多く、開催件数は前年より大幅に増加した。

3.伊丹図書館の改修

伊丹図書館のラーニングコモンズへの改修が中期計画中間報告に挙げられた。大学全体としての取組に期待する。

4.「広範な学び」の誘発

FacebookページにてCELLを中心とした学内のさまざまな情報を発信することにより、正課および課外の活動活性化の一助となっている。

III.研究支援

1.研究用資料の整備

各教員から寄せられる購入希望には古書店の活用や寄贈依頼など、できる限りの方策により応じている。

価格上昇が著しい雑誌、電子ジャーナルやデータベースは本学の教育分野および教員の研究分野と照らし合わせ、より現状にふさわしいものとなるように平成26年度にむけて整備した。

2.機関リポジトリの構築

平成26年3月11日、「大手前大学・大手前短期大学リポジトリ」を公開した。公開時の登録コンテンツ数は大手前大学紀要341件、大手前短期大学紀要51件、CELL教育研究所論集24件、博士学位論文7件、公開講座講義録18件、FD/SD宿泊研修プログラム報告書から14件、その他13件である。システムは国立情報学研究所より提供されるJairo cloudを利用している。

  • 機関リポジトリの構築01

IV.社会連携

1.在学生、教職員以外の図書館利用受入れ

25年度はTV、雑誌、書籍などマスコミ掲載の機会が複数あったが、それによる新規登録者は予想を下回った。学外利用者については、最優先のサービス対象である学内利用者サービスへ影響を与えないように配慮している。学内セキュリティの確保、通学生の権利、通教生のインセンティブなど、他部署からはさまざまな観点から学外者サービス見直しが要求されているが、登録の有償化は当面行わないことが図書館委員会により決定された。

2.地元地域との連携

中学生の社会体験プログラム「トライやるウィーク」をCELLにて西宮市立大社中学校と苦楽園中学校、伊丹図書館にて伊丹市立南中学校と松崎中学校を受け入れた。
従来、図書館では3日間受入れていたが、今年度は他部署の協力により減少し、CELLは2日間,伊丹図書館は1日となった。受け入れ日数の減少によりスタッフの負担軽減ができ、中学生にとっては大学授業への参加体験や製菓実習など、プログラム内容も多彩になって喜ばれたようであった。活動の様子はWebサイトやFacebookにて発信し、中学校側にも好評であった模様。

  • 地元地域との連携01
  • 地元地域との連携02

3.学外への情報提供

図書館新築計画の視察や学習支援の事例調査のため、大学および設計事務所等が訪問され、CELLの設計理念やおよび運用方針等について紹介と案内を行った。

  • 学外への情報提供01
  • 学外への情報提供02

マスコミ等からの取材が複数あり、テレビ放送、書籍、雑誌やインターネットサイト等に掲載された。

  • 『年齢不問!サービス満点!!1000%大学活用術』花岡正樹著 中央公論新社2013年
  • 『AERA』「ハイスペック大学図書館が急増中」朝日新聞出版2013年7月15日発売号
  • 朝日新聞出版|dot.(ドット)「屋上庭園にカフェ 進化を遂げる大学の図書館」『AERA』2013年7月15日発売号掲載記事
  • 日経産業新聞 2013年10月7日朝刊
  • 日本テレビ『NEWS ZERO』特集「進化続ける大学図書館」2013年10月8日
  • 阪急沿線情報誌『TOKK』「特集「大人になった今こそ!大学へ行こう!」2013年10月15日号掲載記事
  • 「ウェブ・トック」『TOKK』2013年10月15日号掲載記事
  • 学外への情報提供03
  • 学外への情報提供04

V.その他

『大学ランキング2014』朝日新聞出版 2013.4の「大学図書館ランキング」の総合評価において全国756大学中95位となり、初のランク入りとなった。

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