令和4年度 事業報告書

I.学修支援

1.教育との連携

学修の基本となる「資料収集・情報入手」スキルアップを目的に、大学1年生全員へキャリアデザインⅠ(国際看護学部はキャリアプランニング)にて図書館ガイダンスを実施した。人文系3学部2年生へは「図書館活用術」をライブ中継版とオンデマンド動画版からクラスごとに選択してもらい、その後の図書館ツアーは「1コマに3クラス」を限度とした。教員によるツアーや時期をずらすクラスなど、結果として館内の密状態を回避することとなった。国際看護学部は初めての4年生対象の卒論用ガイダンスを実施。その結果、特定のデータベース利用が急増し、対応に追われることとなった。ゼミやクラスでは教員の要望に応じてさまざまな内容でガイダンスやセミナー、授業支援を展開した。
国際看護学部の海外実習に備えて「実習Ⅲお役立ちガイド」を実習先にあわせてシンガポール編、フィリピン編、タイ編、オーストラリア編を作成し冊子体で配布したほか、渡航先でも参照できるようにel-Campus上で公開した。
データベースや電子リソース利用については、パソコン必携化の影響か増加傾向にあり、利用制限を迫られるデータベースも見られた。
  • 教育との連携1
  • 教育との連携2

2.「広範な学び」の誘発

作品発表

  • 「広範な学び」の誘発1
  • 「広範な学び」の誘発2
CE101にて立体造形クラス合同作品展「テンテコ展」、CE101・102・103にて「立体造形基礎Ⅱ」「フィギュア制作」「立体造形技法Ⅱ」による合同作品展「三次元の造形展」が開催され、多くの学生や教職員が鑑賞した。「作品を非日常空間で展示し、より多くの人の目に触れることにより、学生たちは新たな手応えを感じた」との教員評価が寄せられた。

特集展示
さまざまな所蔵資料をテーマに沿って紹介する「特集展示」を実施。CELLでは「本で巡る日本のあちこち」、「兵庫の絵本作家展」、ワークショップ関連の「製本・装丁の世界2022」、「冬に食べたい鍋」を、大阪図書館では学生主催による「ジェンダー平等を学ぼう」、調理研究室との協働による「夏の食べもの」、「サッカーと選手を支える人たち」、CELL所蔵資料紹介の「Welcome to the world of Paris Collection」など開催した。ミニ展示では「兵庫の絵本作家展」、「文系も面白い理系の本」、「芸術と料理」「かわいい美術」など(以上CELL)、「就活の準備手伝います!」、「レポート・論文に役立つ本」など(以上大阪)を開催した。紹介コメントは小冊子を作成して館内で配布したほか、Web本棚「ブクログ」でも公開し、フォロワーも獲得している。

  • 「広範な学び」の誘発3
  • 「広範な学び」の誘発4

ミニセミナー
図書館で契約する辞書データベース「ジャパンナレッジ」をより便利に活用してもらえるよう、 ミニセミナー「スマホで使う辞書・事典-図書館検定応用編」をE棟ラーニングコモンズにて昼休みに1週間にわたって開催した。初めての試みであったが教員からの声掛けもあり、終盤に向かうにつれて参加者が増加した。

トークライブ in CELL
3年ぶりにトークライブ in CELLを開催した。7月「手紙の愉しみ 芭蕉の場合」(辻村尚子先生)、10月「花押で読み解く戦国時代」(石畑匡基先生)、12月「役割語ってなんだろう?ーキャラで遊べる日本語ー」(恩塚千代先生)。いずれも昼休みの短時間のなか、学生・教員・職員がひとつに集い、新たな興味を広げることができた。

  • 「広範な学び」の誘発5
  • 「広範な学び」の誘発6

ワークショップ
10月製本ワークショップ「和装本つくり」をCELL地階スタディルームやcells(小教室)にて開催。人文系3学部、短期大学から合計15名の学生が針と糸を使って和綴じ本の作成に取り組んだ。旧伊丹図書館で開催していたもので、「1年生の時に参加したが、また参加でき、自分の成長度合いが実感できた」という学生の声もあった。

  • 「広範な学び」の誘発7
  • 「広範な学び」の誘発8

Ⅱ.研究支援

1.リポジトリの運営

本学の学術生産物をリポジトリを通してインターネット上で公開している。2022年度は大手前大学論集(第21、22号)、大手前短期大学研究集録(第40、41号)、大手前大学国際看護研究研究集録 (第4号)、大手前大学健康栄養学部学術雑誌「食糧・栄養と健康」(第2号)を公開した。また博士学位論文内容の要旨及び審査結果の要旨(第11号)、学位論文:博士学位論文(2021年度)を公開した。

2.レファレンス

本館未所蔵資料への要望に応じて、図書館相互利用制度(NACSIS-ILL)を経て他大学や機関へ貸借依頼、複写取寄せ、訪問利用や特別複写などの申請を行った。資料が国内未所蔵の場合はWorldShare Interlibrary Loan(WSILL)にて対応可能である。

Ⅲ.蔵書構築

図書館委員を中心に、本学の学修、研究、教学マネジメントに資する蔵書構成となるよう、学術書や一般書を収集し、適正な蔵書構築と管理に努めている。2022年度は次年度に開設予定の経営学部、国際看護学研究科、短大医療事務総合学科用の資料も収集した。その結果、大学8,069点(38,170,099円)、短期大学911点(3,702,081円)を受入れた。除却処分は大学1,874点(4,355,170円)、短大232点(644,830円)。2022年度末の総蔵書数は大学330,629点、短大49,518点である(視聴覚資料を含む)。

Ⅳ.その他

1.国家試験応援メッセージ展

健康栄養学部4年生が管理栄養士国家試験を、2022年度より国際看護学部4年生が看護師国家試験を、短大歯科衛生学科3年生が歯科衛生士国家試験を受験するにあたって、大阪図書館では「がんばれ、国家試験!」、CELLでは「目指せ、歯科衛生士!」と題してメッセージ展を開催。教員や職員などから多くのメッセージが寄せられた。
  • その他1
  • その他2

2.大阪図書館C102(演習室)

図書館内にあるC102の利用について総務課と調整の結果、学生だけでも利用可能となった。本来は演習や面談など教員主体の教室であるが、学生の自主的な活動に応えられるよう、貴重な空間が活用可能となった。

3.トライやるウィーク

コロナ禍により中止されていた西宮市立大社中学校2年生の社会体験活動「トライやるウィーク」を5月24、26日に受け入れた。

4.『大学図書館ランキング』

『大学ランキング2023』(朝日新聞出版)の大学図書館の項目「総合」にて本館が全国の国公私立大学校766校のうち69位にランクインした(「総合」:蔵書・受け入れ・貸し出し・図書館費の指数合計)。

5.その他

コロナ禍によりさまざまな制限を実施していたが、5月に活動指針レベルが下げられたことにより、館内パソコン利用方法の変更や、卒業生および一般市民の利用再開などを行った。
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