平成28年度 事業報告書

I.学習支援

1.蔵書構築

平成28年度、大学5,483点(20,381,242円)、短大719点(2,082,623円)の蔵書(視聴覚資料を含む。購入、寄贈、雑誌からの編入を含む)を受け入れた。うち寄贈資料は1,253冊(444,242円)である。一方、経年劣化等による除籍処分は大学359冊(1,132,433円)、短大393冊(867,567円)であった。その結果、総蔵書数は大学294,145冊、短大59,751冊となった。

部科学省私立大学等研究設備整備費等補助金の交付をうけ、高額図書『Web版群書類従(正・続・続々)』(八木書店 運営:ネットアドバンス)を購入した。

2.教育との連携

大学は1年次必修科目「キャリアデザインⅠ」にて図書館ガイダンスを実施。大学図書館の機能紹介と案内に続き、1人ずつ図書館内にてゲーム型課題「ライブラリークエスト」に取り組んだ。事後アンケートでは「面白かった」との感想の一方、「2度とやりたくない」との否定的な意見もあり、少なくとも図書館を強く印象づけることができた。授業課題や内容との関連もあろうが、その後の1年次生の図書館利用は非常に活発(とくに春学期)であったことは検討に値する。2年次必修科目「キャリアデザインⅢ」ではカリキュラムに沿って、レポート作成の際の問いの立て方や情報検索、入手方法など紹介した。学生から寄せられた質問については、教員の協力を得て内容や表現を検討し、el-Campus(学習用システム)にて公開した。

短大は1年次必修科目「フォーラムA」にて図書館演習を実施。大学図書館の機能紹介と案内に続き、1人ずつ図書館内にてゲーム型課題「図書館さんぽ」に取り組んだ。事後アンケートでは「とても楽しい・楽しい」が37%、「とてもつまらない・つまらない」が15%、自由記述によると「難しかったが本の探し方や図書館の様子がわかった」とおおむね好評であった。

  • 教育との連携01
  • 教育との連携02

授業内容に沿ったテーマで授業時間内で行うガイダンス等の図書館利用指導は24回実施。初めての試みとして短大「キャリアプランニング」において「就職活動に図書館を使おう」と題し、企業情報の収集方法について紹介した。今年度は初の試みで「図書館概論」にて「大学図書館のサービスとお仕事-大手前大学・大手前短期大学図書館の場合」と題して図書館スタッフが現実の司書の仕事や図書館業務の実態について講義した。

  • 教育との連携03
  • 教育との連携04

本学通信教育課程の初年次生対象教材「スタディスキルズ・シリーズ-情報検索と図書館」を作成した。入学時の自学用を想定しているが、在学中いつでも活用できるようにオープン教材として2017年4月より公開された。

授業内容に沿って、図書館資料の所蔵調査、配置変更や契約データベースのアクセス数アップ、授業時間外での個別学生サポートなど授業時間外での支援は28件であった。

ゼミナールや授業クラスによる授業成果をcell(小教室)、中庭側ガラス壁面、エントランスにて展示した。事前告知や事後報告などは図書館サイトやCELLfacebookページを通じて公開した。

  • 教育との連携05
  • 教育との連携06

学生(学部通学生)の1人あたり貸出数は6.9冊で、昨年度の7.3冊より減少。1回以上貸出した学生の割合は66%で昨年度より15ポイント増加した。

短大学生については1人あたり貸出数は2.1冊で、昨年度の2.8冊より減少。1回以上貸出した学生の割合は54%で昨年度より14ポイント減少した。

3.サービスの向上

(1)開館時間延長

利用者の要望に応えるため、メディアライブラリーCELLの土曜日開館を9:00~17:00に延長した。

(2)資料の配置変更

メディアライブラリーCELL1階閲覧室の参考図書コーナーをリニューアルし、事典・辞典を内容にあわせて各分野へ配置換えした。同じテーマの本がなるべく近くに集中することにより、資料入手の際の利便性が高まった。配置換えにより余裕のうまれた場所(入り口に近い)には学生利用頻度の高い「業界研究」「就職・資格」「英語多読」「観光ガイド」など移設し、訴求性を高めた。

  • サービスの向上
  • サービスの向上

収納効率のためサイズ別のコーナーにそれぞれ配架していた文庫本と新書本を統合した。同じ分野の図書が集中することにより、利用者の利便性が高まった。

サービスの向上

伊丹図書館2階閲覧室では大型本用書架の都合で日本十進分類法の9類の後に並んでいた5類・7類を分類番号の昇順に配置換えを行った。またサイズ別にそれぞれのコーナーに配架していた文庫本と新書本のコーナーを統合した。


(3)Webサイト更新
  • サービスの向上
  • サービスの向上

健康栄養学部が開設され、学部学生が大阪図書館を利用することに伴い、大阪図書館の開館カレンダー、フロアマップ、図書館概要などを追加し、トップページデザインを更新した。


(4)CELL公式Facebookページ
サービスの向上

CELL公式Facebookページを学習支援センター、ITサポートセンター、資格サポートセンターとの共同により運営し、増減はあるもののファン数は820を超えた。5月より月に一度掲載する「司書の気まぐれ草子」(図書館スタッフがお気に入りの本やDVDを紹介)は毎回閲覧者が多く、好評を得ている。大手前大学メディアライブラリーCELL


(5)利用者アンケート

利用者の意見や要望を調査し、サービスに反映するため利用者アンケートを実施した。462名の学生、58名の教員、17名の職員から回答を得ることができた。自由記述に寄せられた意見や要望に対してはQ&A形式で回答し、CELLでのパソコン使用エリアの拡大や一人用スペースの設置を準備中である。回答結果は図書館サイトにて公開済みである。 2016(平成28)年度 図書館利用者アンケート調査結果(PDF 465KB)

4.「広範な学び」の誘発

学習支援センター、資格サポートセンター、国際交流センターと連携を深め、新入生キックオフプログラムにて、授業外における「大学での学び」について告知・案内を行った。

トークライブ in CELLは「和田先生とつながろう アニメーション『春のしくみ』」と題し、アニメ―ション作家でもある本学教員の作品上映とインタビュー、質疑応答を行った。開催に先立って特集展示「あなたの知らないアニメーションの世界」を開催して和田先生の作品を上映し、質問箱を設けるなど新しいスタイルを試みた。参加した学生から活発な質問があり、資料を媒介にした教員・学生の交流の場となった。

  • 「広範な学び」の誘発01
  • 「広範な学び」の誘発02

伊丹図書館にてワークショップ「和装本づくり」 全5回を開催した。参加学生は24名で定員には満たなかったが、反響や当日の様子を勘案すると満足できる結果となった。ワークショップに先立って特集展示「製本・装丁の世界」を開催する、制作する和装本を展示する、「図書館概論」の授業内で告知する(偶然にも本の種類を学んだところで教員からの推薦もいただいた)などアピールに努めた成果と思われる。

  • 「広範な学び」の誘発03
  • 「広範な学び」の誘発04

授業内容や学習、学内で催される講演会、図書館主催イベント、娯楽・教養などさまざまなテーマで特集展示を行った。展示カタログ(小冊子)はテーマに関するブックガイドとして利用できるため、自由に持ち帰れるように過去分もあわせて全タイトルを設置している。

平成28年 4月 「大学で何を学ぶか」(CELL)
  「レポート支援」「プレゼン支援」(伊丹)
6月 「宝塚歌劇団とタカラジェンヌの今昔-輝きのヒストリー」(文芸講演会「宝塚歌劇の海外公演をめぐって-戦前から現代まで-」(講師:北村卓氏))
  「人間関係を考える」(伊丹)
7月 「読んではじめるダイエット×トレーニング」(伊丹)
  「2016若い人に贈る読書のすすめ」(伊丹)
8月 「ハンセン病問題を語り継ぐ」(CELL)(田中キャサリン先生集中講義)
10月 「動物のいのちを考える」(伊丹)
11月 「あなたの知らないアニメーションの世界」(CELL)
  (シンポジウム「アニメーションの文化論-日本とフランス-」
  トークライブ in CELL「和田淳先生とつながろう アニメーション「春のしくみ」)
  「製本・装丁の世界」(伊丹)(ワークショップ「和装本づくり」)
  • 「広範な学び」の誘発03
  • 「広範な学び」の誘発04

II.ラーニングコモンズ機能の強化

1.伊丹キャンパスのラーニングコモンズ設置

平成29年3月図書館前のW棟3階西側部分にインタラクティブな学修空間としてのラーニングコモンズを整備した。それに伴い図書館所蔵の視聴覚資料を視聴するAVコーナーも一新した。スペースの都合上、開催できなかったトークライブやワークショップなどの企画を実施できる運びとなった。

  • ワンストップサービスの強化01
  • ワンストップサービスの強化02

2.CELL内部署との連携

学習支援センター、ITサポートセンター、資格サポートセンターとの月例ミーティング、CELL Facebookページへのコンテンツ掲載などにより、相互の結びつきを深めた。

3.閲覧室やcells(小教室)の活用

閲覧室やcells(小教室)を活用して授業クラス、ゼミ、学生団体、学生有志(留学生、資格講座受講生)による展示やイベントが行われた。cells(小教室)はグループによる自習やプレゼン練習などに利用され、ほぼ毎日、とくに午後には空きがないような状況である。

  • ワンストップサービスの強化03
  • ワンストップサービスの強化04

III.研究支援

1.研究用資料の整備

教員から寄せられる研究用資料の入手希望には図書館委員会の審議を経て迅速に対応するほか、古書店の活用や関係先への寄贈依頼など、さまざまな方策により応じている。

2.リポジトリの運営

本学発行の学術生産物をインターネットを通じて公開している。平成28年度は『大手前大学論集16号』『大手前短期大学研究集録第35号』、『大手前大学IIEジャーナル第2号』等の定期刊行物のほか、『平成25年度大手前大学公開講座講義録』、『平成26年度経済産業省「新分野進出支援事業報告書』等を公開した。平成29年3月31日現在、「大手前大学・大手前短期大学リポジトリ」の登録コンテンツ数は大手前大学紀要620件、大手前女子大学紀要402件、大手前短期大学紀要69件、CELL教育研究所論集49件、大手前大学IIEジャーナル32件、博士学位論文4件、公開講座講義録26件、会議・セミナー資料16件、その他29件である。 大手前大学・大手前短期大学リポジトリ

IV.社会連携

1.地元地域との連携

5月下旬、CELLにて西宮市立苦楽園中学校と大社中学校の社会体験プログラム「トライやるウィーク」を受け入れた。カウンターでの貸出・返却処理、新着雑誌の受入れ・配架、図書の装備などの業務体験のほか、ゲーム型図書館ガイダンス「ライブラリークエスト」に挑戦して資料や機器に関する知識を深めるなど、図書館の世界を体験していただいた。活動の様子を図書館WebサイトやCELLfacebookページで紹介し、中学校関係者と情報を共有した。

  • 地元地域との連携01
  • 地元地域との連携02

2.高校生への図書館開放

8月3日~9月3日、西宮市内の高校に通学する生徒に図書館(CELLのみ)を開放した。市内17校への案内状送付、本学Webサイト、図書館Webサイト、CELLfacebookページにて告知を行ない、延べ50名の利用があった。

3.学外への情報提供

図書館新築計画やラーニングコモンズ設置に備えた視察や事例調査のため、大学図書館や教員等が来館され、CELLの設計理念および運用等について紹介と案内を行った。

平成28年 8月 京都文教大学意見交換会
9月 広島文化学園短期大学
11月 西宮市立図書館ボランティア交流会照明学会関西支部
12月 東北福祉大学図書館
  • 学外への情報提供01
  • 学外への情報提供02

3月、TV番組 『ナイト in ナイト:ビーバップ!ハイヒール』(朝日放送、3月23日放映)の撮影がCELLで行われた。

西宮市立図書館、伊丹市立図書館に毎月の新着資料情報を提供した。芸術分野や日本史分野の資料紹介に役立てていただいている。

V.その他

平成29年2月、図書館内のセキュリティ保全と状況把握のため、学外者の来館に際してはカウンターでの受付と来客用ストラップの着用をお願いすることとなった。

図書館委員会を開催した。そのほか緊急の事案や委員全員の意見聴取が必要な場合はメールにより検討を行った。

各種団体により催された研修会や見学会等に参加し、図書館員としての見聞を広め研鑽に努めた。

平成28年 5月 第1回図書館委員会
8月 学習支援に役立つプレゼンテーション技法(私立大学図書館協会阪神地区協議会主催) 大学図書館運営を考える(私立大学図書館協会主催)
9月 学習支援を担う大学図書館職員の可能性を探る(私立大学図書館協会西地区部会主催)
10月 立命館大学平井嘉一郎記念図書館見学(兵庫県大学図書館協議会主催)大学職員の専門性を考える(大学コンソーシアム京都主催)
11月 学習支援担当者のためのティーチング&ライティング支援入門講座(大阪大学図書館主催)
平成29年 2月 大学図書館を中心とした歴史資料・地域資料のデジタルアーカイブ化について」(私立大学図書館協会阪神地区協議会主催)
3月 第2回図書館委員会
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