CELL
2017.07.20
【トークライブ in CELL】第22回:瀬口先生が語る「授業じゃ言えない「プレゼン」のハナシ」が開催されました。
2017年7月4日(火)にメディアライブラリーCELL CE104にて、第22回トークライブが開催されました。
今回はメディア・芸術学部 准教授の瀬口昌生先生にご登壇いただきました。
まず瀬口先生より“Multi Level Marketing”の説明がありました。
“Multi Level Marketing”は「連鎖販売取引」と翻訳されますが、一般的に「マルチ商法」の俗称の方がよく知られています。先生によるとマルチ商法が成功するか否かにはプレゼンの能力が大きく関わってくる、とのことで、再現シーンを交えて語ってくださいました。
①「初めて出くわしたオトナのプレゼン」
先生が大学を卒業して間もないころ、かつての劇団仲間と一緒に現れたのはビジネススーツを着こなしたオトナの男性。挨拶もそこそこにFAX機の紹介をはじめました。
「一般的に主婦は機械操作が苦手だが銀行のATMは利用出来ますよね?」「理由は簡単!つまりタッチパネルだから。タッチパネルだと簡単に機械操作が出来るんです。」「このFAXのスゴイところはタッチパネルが搭載されている点。近い将来必ずFAXを使った商品売買が行われるようになります。つまりこのFAXの将来性は非常に高い!」「今、×△円をお支払いただければ、特別にこのFAXを販売する権利を差し上げます!」「そして、このFAXを一台売るとあなたの手元には●◆円が配当として支払われます!」 20年以上経った今でも鮮明にその時の様子が思い出されるそうです。
②「説得力が“ゼロ”のプレゼン」
先生が高校で講師をされていたころ、元の教え子から連絡がありました。開口一番に「絵を買いませんか?」。続いて「とても綺麗だから」・「(買ってみては)どうですか?」と何度も繰り返すだけ。絵を購入しようという気持ちには全くならなかったそうです。
③「残念ながら失敗のプレゼン」
知人女性がしきりに洗剤の購入を薦めてきます。熱心に言葉を尽くすのですが、まるで借物のようで、彼女自身の思いが伝わってきません。せっかくのプレゼンも心に響かず、もちろん洗剤の購入にはならなかったとのことです。
・具体性のあるエピソードを織り込んだプレゼンは相手の脳裏に残りやすい。
・同じことの繰り返し、起承転結のないプレゼンは相手の興味をひかない。。
・自分の言葉で語らないプレゼンは相手の心に響かない。
と言えるようです。
最後に、獲物を追いかけるライオンのスライドを見せていただきました。追うライオンか、追われる動物か、どちらの立場から見るかによって写真の感じ方が変わってきます。先生によるとプレゼンとは「相手の世界に入り込み、自分の世界に連れてくるもの」。相手を動かせるようなプレゼンになるかどうかは、自分の心の置き方が大きく影響するということがわかりました。
「なかなか聞けないオトナの話だった。とにかくおもしろくて、あっという間に終わってしまった。」
「プレゼンは熱意が大切と聞いていたが、それに悪意が加わると“騙す”ことになるとわかった。」
などの感想でした。学生のみなさんには、まさしく「授業じゃ聞けない『プレゼン』のハナシ」を実感出来たのではないでしょうか。
【場所】メディアライブラリーCELL 特集展示コーナー
※一部、貸出できない資料もあります。
※貸出中の場合、予約も出来ます!予約の際は、カウンターまでお願いします。
Otemae University Media library